くまとやまねこ
レビュー明日も、あさってもことりといっしょの朝が来る−−
そう信じていたのに
突然、最愛の友だちをなくしたくまは、ひとり暗闇に閉じこもってしまいます…。
せつなく美しいどこまでもあたたかな物語『くまとやまねこ』は、
絵本作家・酒井駒子さんとの初のコラボレーションによって生まれました。
この絵本について、湯本さんに伺いました。
だって、ぼくたちはずっとずっといっしょなんだーー
突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまった、くま。
かなしみのあまり、くまは、くらくしめきった部屋に閉じこもる。
だがくまにも、花咲く時は訪れて…
湯本さん、酒井さんの夢のコンビで贈る感動の絵本。
〜著者湯本香樹実さんからのコメント〜
この『くまとやまねこ』は、ずいぶん長い時間をかけてできあがった絵本なのですが、
できあがった今、時間をかけたかいがあったなあと心から思えるし、
この絵本で私が書きたかったことも、やっぱり「時間」なのだな、
とあらためて感じています。
身近な人が亡くなることも含めて、大事な何かを失うというのは、
自分自身の一部が死ぬことと等しい。
死んだ自分を抱えている間は、時間が止まってしまったようにも思えるけれど、
時間は実はきちんと流れていて、なにもしていないように見える人にも、
深い変化をもたらしているのではないでしょうか。この絵本のなかのくまが、
悲しみに閉じこもり、でもやがて外に出かけていったように、
必ず死んでしまった自分自身の一部も、またよみがえる時がくるんだという、
そういう時間というものへの深い信頼と感謝の念が、私にこの小さな物語を書かせてくれたのだと
思います。
酒井駒子さんの素晴らしい絵によって、くまやことりややまねこや、命あるもの
すべてに流れる時の一刻一刻が、一頁一頁、このうえなくいとおしいものとして
描き留められました。お読みいただけましたら幸いです。
突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまった、くま。
くらくしめきった部屋に、ひとり閉じこもっていたくまが、やがて見つけた、あたらしい時のかがやき
【著者情報】
湯本香樹実(ユモトカズミ)1959年東京都生まれ。東京音楽大学音楽学部卒業。
小説『夏の庭―TheFriends―』で日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞。
同作品は十ヵ国以上で翻訳され、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ミルドレッド・バチェルダー賞などを受賞。絵本の翻訳も手がける
酒井駒子(サカイコマコ)1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。
2004年『きつねのかみさま』(作:あまんきみこ)で日本絵本賞、2005年『金曜日の砂糖ちゃん』でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、2006年『ぼくおかあさんのこと…』でフランスでPITCHOU賞、オランダでZilverenGriffel賞(銀の石筆賞)を受賞。本の装画・挿絵でも活躍する